口伝による空手技術が本当に優れたものである保証はない

空手の技術は一子相伝、門外不出、師から弟子へ口伝による継承が一般的で、現代の空手の技術は糸洲安恒によって体系化されたもので、急所を狙う危険な技は修正され、意図的に大衆指導をしやすいような形に作り変えられたと言われています。

その技術が船越義珍の手によって本土に持ち込まれ伝えられたということです。実際の本質的な技術は本土には伝えられておらず、空手技術に関しては様々な憶測が飛び交っていますが、糸洲安恒によって修正された空手が現代の空手の礎ということですから、我々は現在の型や糸洲安恒が空手技術を修正する以前の断片的な写真をを参考にしながら想像を巡らせて型を解釈していくしかないのです。

型の解釈を巡っては様々な流派が分岐していますし、様々な意見がぶつかり合っていますが、私は、現代の軍や格闘家が保有する技術に比べれば、それほど特異な奥義が口伝で伝えられたとは考えにくいと思っています。

ここからは私の持論ですが、口伝や道場の免許皆伝といった道場の技術を門外不出にする制度は秘めた技術を内に隠し手の内を知られないという点においては優れていますが、技術自体が外に浸透しないため、その技術が別の技術を巻き込んで新たな技術に発展するという可能性が非常に低い点が気がかりです。

ある流派が技術を門外不出にしている間、他の流派は積極的な技術交流によって新たな技を手に入れ遅れをとってしまっているという状況も考えられます。

現代は昔とは時代背景が異なり、技術が盗られることにより戦闘において致命的なリスクを追うという動機がなくなり、様々な技術がインターネットや雑誌などの媒体を通してあけすけに公開されています。そして他流派同士の技術交流も盛んに行われて格闘技術の研究が進んでいます。

もしかしたら口伝による奥義が、情報化社会に生きる格闘技ファンの間ではすでに陳腐化した使えない技術である可能性もあります。

門外不出は技術の発展を著しく妨げます。そのため私自身は口伝による奥義を追い求めて型の解釈にこだわったりはしません。むしろ現在軍や自衛隊で利用されている技術を勉強する方がよほど実践的だと考えています。

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