空手の形の有用性について

空手の基本や形の有用性については伝統派空手の流派内部でも賛否両輪、意見が別れるところです。特に組手を主体に稽古しているヨーロッパ勢の空手選手は体の動きが鈍くなり、体の機動性を損なうとして練習を遠ざけている人は結構います。

基本や形の特徴は動きの無駄のなさです。一つの技が終わったから間髪入れず最短距離で次の技の挙動が始まります。これが松濤館の形では長いもので50挙動、剛柔流のスーパーリンペイなどは108挙動も連続して技が組み込まれています。

技自体に緩急はあるものの形の最中は休む暇などありません。この動きを全て力んで行ったとしたら外国人の選手のいうとおり体の動きは鈍くなり、機動性を損ないます。

“0-100の動き”

しかし形には特別な体の使い方があります。”0-100の動き”です。これは具体的には緩急の動きを表しますが、筋肉が脱力した状態である”0”の状態から一瞬で、体全体の筋肉を効率よく使って最大限の”100″の力を相手にぶつけるという技術です。

たとえ突いている最中でも、その挙動が終わった瞬間に脱力し0の状態まで瞬時に戻すという体の使い方、また上半身のみならず下半身、腰の稼働、各関節の稼働をうまくコントロールして力を攻撃部位に伝えることで、無駄のない効率的な動きを身につけることができるわけです。

外国人選手の形の運用方法の問題点

外国人選手の型の選手形は私から言わせてもらえば総じて型の上部だけをなぞった力技です。非常に動きが硬く、力み過ぎてます。それもそのはず、形で本来練るべき体の内部の使い方をまるで無視しているからです。

型には緩急がありますが、外国人の形選手の形における緩は、”休み”といった感じです。本来、形における”緩”の意味合いは相手への牽制だったりしますが、それにしても外国人選手の緩の時間は牽制にしては長すぎるのです。ほぼ、間断なく動き続けた体を休めるためのものだと思っている人は多いんじゃないでしょうか。常に筋力に頼って形を運用すると疲労はたまりますし、決勝で行われるような高級形は形の運用の大部分を筋力に頼っている外国人、特に欧米人にとっては挙動の最中の”緩”は束の間の休息になります。

また、骨格上 筋肉の性質の問題から0-100の動きなど細かい体内部の作り込みに適してない体質であることも言えるかもしれません。

形の特徴

形の特徴は攻撃の形をできるだけ単純な挙動で表し、限定的な動きの中で最も効率の良い体の使い方を鍛錬するところにあります。

幾度も同じ挙動を繰り返して体の内部また無駄のない効率的な動きを体に練り込むことに形の本質的な鍛錬の方法が隠されてます。

問題なのは目に見えた効果が短期間では現れないことです。数年、鍛錬しただけでは技の形が多少は整ったという程度でしょう。10年やってやっとその本質の片鱗が少し垣間見れるという程度で、気の遠くなるような時間と労力をかけないと思うような効果を実感することは難しいと思います。

形が科学的であるかどうかといったら、そうでない部分の方が多いです。突き詰めて鍛錬していけば、目に見えた体の動かし方ではなく、さらに感覚的で精神的な部分に気づきをえていくらです。

単に運動の性能を向上したい、瞬発力をあげたい、相手の動きに素早く反応して即座に対応できるようにしたいということであれば、形や基本のみの鍛錬は遠回り過ぎますし、現代の試合形態では通用しないでしょう。

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