空手の体の使い方でまず意識する点は、中心軸を意識することです。これは感覚というか、イメージですが、頭のつむじから背骨を通って、肛門から一つの直線的なポールが体を貫いていて、それが体の中心を支えているというイメージです。
そうしてイメージした中心軸を基軸に技を組み立てて行くのす。中心軸を基点に体を横に回転させてフックやストレートを撃てば、遠心力を利用して大きな力を攻撃に加えることができますが、腰や体を横に回転させる動きは、モーションが大きいため相手の反応を誘います。
攻撃時に肩が必要以上に動いてしまったり、大ぶりのフックは力が外側に集中するため、相手に攻撃が届くまでに時間がかかります。そのため瞬発力やスピード、筋力でその欠点をカバーしなければならないため、身体能力が物を言う体の使い方です。
日本人のように小柄で、欧米人に比べて筋力が圧倒的に劣るような農耕民族は効率的な体の使い方を覚えなければなりません。
なるべくコンパクトに効率的にそしてバレずに相手まで攻撃を到達させるためには、体の使い方を直線的にしなければなりません。

上の図は少しわかりにくいですが、大まかな空手の体の使い方のイメージ図です。右半身と左半身が中心軸を挟んで左右にずれているのは、半身で構えている状態をイメージしています。
実際はオーソドックスに構えた場合、左半身は中心軸の後ろにはなく体位は斜めになっていますが、これはイメージです。図の体の使い方は、体を単純に左右に回転させるのではなく、攻撃を相手に加える際に右半身と左半身を直線的に入れ替えるというイメージです。
こちらの動画はよりわかりやすいと思います。体の回転による動きと、体の右半身左半身入れ替えによる動きの違いをわかりやすく説明しています。
わかりにくい人は、オーソドックスに構えた状態から、ストレートを打つと同時にサウスポーに下半身を切り替えてください。要はストレートを打つと同時に足のポジションをスイッチするのです。この体の使い方は私が突きを着くときにイメージしている体の使い方と極めて似ています。
この体の使い方は基本中の基本です。何度も繰り返し正しいポジションで正拳突きもしくはストレートパンチを繰り返し、体の感覚を掴んで行くのです。体にこの感覚が染み付いて自然に攻撃が繰り出せるまでに少なくとも2〜3年はかかります。今期よく練習しなければなりません