空手を始めて数ヶ月、移動基本、型、組手基本などを稽古をしている最中に足の裏に皮と肉がズレるような変な違和感と痛みを感じた。その日はなんとかお痛みを押して練習したが、練習後足の裏を確認してみると中足の親指の付け根付近の皮が大きくめくれてしまっている。徐々に痛みが増し、足の裏を床につけることを躊躇うくらい痛い。試合も近いし練習に穴を開けたくない。早く治すにはどうしたらいいですか?
この記事ではこんな時の対処法をお伝えします。
本記事の内容
- 足裏の皮のズルムケ回避するため、空手の練習前にテーピングを足に巻くことは有効か
- 足の皮がめくれた時の応急処置
- 空手の練習後、皮がめくれた足の裏を治療する方法
- 足の裏の皮が向けてしまったらなるべく空手の稽古は休む
私が大学に入学し空手を始めた当時は現代のように空手マットが一般的に普及しておらず、毎日の練習を板間で行なっていました。
空手を始めて1年は、しょっちゅう足の裏の皮がずる剥けになり、歩くのが憚られるほど痛かったのを覚えています。それでもその怪我を押して毎日の練習に参加していました。
足の裏の皮のずる剥けは当時は空手初心者の洗礼や勲章と言われ、怪我とは認められず大した処置も施さないまま強制的に練習に駆り出されていました。
しかし、空手マットを使用してない、板間で空手の稽古する場合、特に初心者は完全に足の裏の皮が剥けることを未然に回避するのは難しいです。
事前に足の裏にテーピングを施しても、稽古の頻度が高ければ足の裏の皮膚へのダメージは蓄積していきます。足裏の怪我を繰り返すうちに皮膚組織が強い状態で再生するまでは、足の裏の皮のずる剥けとは付き合って行かなければなりません。
足の裏の怪我は、事後的にしっかり消毒し、適切な処置を施すことで怪我の治りが早くなり、怪我をする→完治する→怪我をする…. といった皮膚組織が強くなるサイクルを早めることができ、足裏に早く分厚い皮膚が出来上がります。
足裏の皮が剥けることを回避するため、空手の練習前にテーピングを足に巻くことは有効か

結論から言いますと、練習頻度にもよりますが、テーピングを施しても結局足の裏の皮はむけてしまいます。
初心者は足裏の皮が剥けることを回避するため練習前に必要以上に足裏にテーピングを施したりしますが、そうするとテープと接着している皮膚は過剰な保湿状態になり皮膚がふやけて裸足でいる時よりも皮膚の状態が弱くなってしまいます。また、練習中は足裏といえど多量に汗をかきますので、その状態に拍車がかかります。
そのため、本来裸足であれば水膨れからズルムケへと至る段階をスキップしていきなり足裏がズルムケてしまうこともあります。
マラソンで長距離を走れば靴や靴下でしっかり保護されている足でさえ簡単に足裏の皮がむけてしまうのと同じです。
現在足裏に怪我がないのであればなるべくテーピングを巻かずに空手の練習に参加してください。
嫌だと思いますが、どうせズルムケしますので、開き直ったほうがいいと思います。
空手の練習で足の皮が剥けた時の応急処置

基本的に足の裏の皮がめくれてしまった場合は消毒するなどして練習を中断するのが望ましいですが、試合が迫り練習に穴を開けられない場合は以下の方法を試してください。
- 手順1,皮が剥けた部分に消毒液を塗布する
- 手順2,ワセリンを塗る
- 手順3, 包帯をまく
- 手順4,テーピングを施す
- 手順5,足袋を履く
手順1,皮が剥けた部分に消毒液を塗布する
沁みて痛いですが、マキロンなどの市販の消毒液を塗布して感染症を防ぎます。
手順2,ワセリンを塗る
ワセリンは保湿膜で怪我した箇所を覆うための軟膏です。これをたっぷり怪我した部分に塗ります。
手順3, 包帯をまく
ワセリンを塗ったら、通気性のある絆創膏を貼り、包帯を巻きます。
手順4,テーピングを施す
テーピングはあくまでも包帯を固定するものです。あとで足袋を履きますので、あまりぐるぐる巻きにしないように、適度に足に巻きつけましょう。
手順5,足袋を履く
足袋は足の皮がめくれるなどの怪我をしたときに重宝します。足袋は自分の足にピッタリあったものを調達してください。大きすぎると足袋の中で足が動き動くたびに患部の傷を広げてしまう可能性があります。
足裏に水ぶくれができた時もほぼ上記と同様の手順で

水ぶくれはなるべく潰さないようにしましょう。針で水ぶくれの部分を指して溜まっている滲出液をどうせ潰れるからと出そうとする人がいますが、どんなに小さな穴でも皮膚を針で貫いて溜まっている滲出液を出すと、そこから感染症を引き起こし、化膿する可能性が高まります。
化膿すると治りにくくなるので以下の手順でなるべく水ぶくれを潰さないように手当してください。
- 手順1,水ぶくれができた部分にアンダーラップテープをまく
- 手順2,テーピングで患部を巻く
- 手順3,足袋を履く
手順1,水ぶくれができた部分にアンダーラップテープをまく
アンダーラップテープとは体毛をテーピングテープの粘着から保護するためのものです。
これは、特に足裏の皮膚が薄い部分に水ぶくれができてしまったときに、テーピングテープの強い粘着力が、頑固に皮膚に張り付き、テープを剥がすときに皮膚も一緒に剥がれてしまわないようにするためにアンダーラップテープを巻きます
手順2,テーピングで患部を巻く
テーピングで固定します。特に水ぶくれの膨らみが大きい場合はテーピングを厚めに巻きます。
手順3,足袋を履く
さらに足袋を履いて足を保護します
万が一足裏の水ぶくれが破れてしまった場合
万が一足裏の水ぶくれが破れてしまった場合、上記の”空手の練習で足の皮がめくれた時の応急処置”の手順を実行してください。
空手の練習後、皮がめくれた足の裏を治療する方法

基本的に、滲出液による自然治癒療法が擦り剥き傷に効果的です。ということで特に何も治療を行わず滲出液による自然回復力に委ねるということです。
幹部に塗布する消毒液も最小限に抑えます。というのも消毒液は細菌を殺すと同時に滲出液に含まれる細胞まで殺してしまいます。
またガーゼや絆創膏をすると治りかけの皮膚組織がそれに付着して患部から強制的に剥がれてしまう危険性があるので、極力何もしないことが望ましいです。
空手の練習が終わったら、水で患部に塗ったワセリンを洗い落とし、少量の消毒液を染み込ませたガーゼで軽く患部を消毒し、その後は放置します。
治りかけは患部が非常に痒くなりますが、我慢してください。
足の裏の擦り剥け傷はどのくらいの期間で完治するのか
私の場合は、自然治癒療法により概ね3日で薄い皮膜が患部を覆い、一週間頃になるとその皮膜の上から白い皮膚が再生していました。
完全に痛みが消え去り、いつも通りもパフォーマンスで運動できるようになったのは一週間と数日、もしくは二週間です。これは怪我しても稽古に出ながら皮膚が完治した日数です。
もちろん怪我の回復に個人差はありますが、稽古を休めばそれだけ早く回復する可能性があります。
少なくとも概ね回復に一週間はかかると思って間違いありません。
足の裏の皮がむけてしまったらなるべく空手の稽古は休む。

日常生活で靴を履いたり、歩いたりして患部に刺激を与えない日はないですが、それでも患部を清潔に保って安静にしていれば、人によっては4~5日で完治したケースもあります。
しかし、怪我を押しての空手の稽古は患部の治りを遅らせるばかりか、どんな治療を施しても感染症のリスクはつきまといます。
擦り傷や擦り剥け傷などは怪我の中でも軽視されがちですが、感染症以外にもはしか・風疹などウィルス性の重い感染症になる可能性もあります。なめてかかると危険です。
どうしても負けられない試合があり、練習に穴を開けられないという状況を除いては稽古を休んで治療に専念したほうが無難です。
数日稽古を休んだからといってあなたの実力がガタ落ちになるなってことはないので心配せずに休んじゃってください。