私が幼児の習い事に空手を勧めない3つの理由

3歳から5歳までの未就学児や小学校低学年の幼児を空手教室に入れたいと思う親御さんは割と多くいらっしゃると思います。

社会性を身につけさせたい、道場で判断力を養ってほしい、子供に新しくお友達を作って欲しい、など様々な思いで子供の入門後の成長を楽しみに期待すると思います。

ただ私はまだ成長の途上にある子供に空手をやらせるのは一貫して反対です。ダメージが蓄積することによるリスクや、過酷な練習による身長が伸び悩むリスクに晒されるからです。

詳しい理由については下記の記事に記載しました。興味があればご一読ください。

空手を子供の習い事に勧めない理由

私が未就学児や小学生低学年には特に空手を勧めない理由は以下の三つの理由によります。

  • 体の柔軟性の妨げになる
  • 子供の身長の成長に影響が出てくる
  • 過酷な稽古をしてしまいがちになる

社会性も自信も礼節も友達作りも別に空手でなくてもできます。体が成長段階にある子供がやるべき運動とやってはいけない運動があります。特に子供の柔軟性と身長にプラスになるスポーツや運動はできる限り早急に取り組まなければなりません。

格闘技などの過酷なスポーツは成長期が終わってからでも十分にチャンピオンになれる時間はあります。しかし、柔軟性(関節の可動域)と身長は大人になってからは努力ではどうにもなりません。

未就学児に空手をさせようとしている親御さんはぜひこの記事をご覧の上よくお考えになってからお決めください。

空手の技が幼児の体の柔軟性の妨げになる


「子供の体は柔軟である」と無条件で信じている人はいると思います。確かに何もしていない大人に比べて圧倒的に子供の筋膜は柔らかく関節の可動域は広いですが、体の筋肉は何もしなければ子供でも柔軟性は失われていきますし筋肉をつけ過ぎれば関節の可動域に制限がかかります。

空手の反復練習は筋肉がつきやすい

空手は練習の大半は反復運動です。何回も同じ技を行って技の完成度をあげたり、技の感覚を養ったりすることが練習で奨励されています。何回も突きや蹴りを繰り返していると当然筋肉が発達してきます。

突きや蹴りの軌道分は柔軟性が維持されますが、突きや蹴りの軌道には含まれない方向の筋肉の柔軟性は当然失われます。

空手は特に背中や肩の筋肉が発達するので、両手の掌を背中で組んだり合掌したりする柔軟性には弱くなるのです。

空手道場では練習前と練習後の柔軟体操で筋肉の柔軟性を確保しようとしますが、どうしても合わせて30分にも満たない柔軟体操は練習で固くなった筋肉をケアするには不十分です。

空手の突きの関節の軌道域は水泳に比べて圧倒的に狭い

空手の突きの可動域は肩の高さを上限にして腕を腰から前方に出す分しかありません。また基本動作の反復運動は短いタームの間に力みと脱力を交互に行いますが、腕の可動域が狭いため完全に脱力することはできず常に何処かに力みを抱えた状態で反復運動をしている状態になります。

肩まわりの可動域、360度を満遍なく動かし、脱力の伴った自然な動きで泳ぐ水泳とは筋肉の負荷の質が全然違います。瞬発力を伴う筋力は念入りなストレッチを欠くと凝り固まってしまいます。

大人より体の機動性が乏しい小さな子供は力みと脱力を使い分けて技を繰り出すという細かい体のできないため技の形を真似ているだけで柔軟性に大きく影響する筋力は使いませんが、やはり何年も空手を続けているとコツを掴み瞬発力の伴った技を出せるようになります。

そうなれば、子供でもキレのある突きをつけるようになりますが同時に体への負担や柔軟性にも影響を及ぼします。

子供の股関節の柔軟性は千差万別

開脚をしてべったりと床に胸をつける柔軟性を持つ子供が空手道場のプロモーション動画で紹介されていたりしますが、子供の柔軟性は千差万別です。

先天的に体が柔軟な子は空手の稽古のみで体が柔軟になりますが、やはり体が硬い子はどうしても稽古内の柔軟だけでは股関節が柔らかくならず、どうしても稽古外で時間をかけて柔軟しないと体は柔らかくはなりません。

ましてや空手の稽古をしているなら通常のストレッチよりも入念に行わないと稽古で萎縮した筋肉を伸ばすことはできません。

したがって道場の稽古内で股関節が柔らかくなるかどうかはとても個人差があります。個人的には子供には水泳など柔軟性を最大限駆使したスポーツを選択するべきです。

体の柔軟性は性格に影響を与える?

本項とは内容が多少ずれますが柔軟性と性格の関係性についてお話ししておこうと思います。

総合格闘家の山本KID選手は事あるごとにインタビューでストレッチの重要性を語っています。

「ストレッチをやると体も心も柔軟になる」

実際のところ体の柔軟性が性格に与える影響については科学的なな根拠があるわけではないですが、私自身、体の柔軟性が高いと無駄な闘争心を抑えて謙虚な気持ちになれる気がします。

逆に私が現役の頃、ストレッチを十分にせずに筋トレをガンガン行なっていた時は心に慢心と驕心が生まれて、他人を見下し威圧するような態度を取ってた時がありました。言動も荒っぽく、他人の言葉尻に不快感を覚えると喧嘩腰になり突っかかっていた時期がありました。

癇癪持ちの子供のエネルギーを発散させるために空手道場に入会させることを考える親御さんも中にはいますが、個人的な経験から、癇癪持ちの子に闘争心の火をつけると更に増長するような気がしてなりません。

一概に体の柔軟性を十分に発揮するスポーツが優しい性格を育んでいるとは言い切れませんが、他のスポーツに比べて空手などの格闘技は他人に対して荒っぽくなったり、怒るまでの導火線が短くなったりする可能性があります。

空手などの格闘技は礼節や社会性を学べるとはいえ、まだ社会性のない子供は感情をコントロールできずに他人に対して荒っぽくなったり、怒るまでの導火線が短くなったりする可能性があると思います。

子供の身長の成長に影響が出てくる


子供の身長の成長の可能性を最大限に引き出すことができるのは10代後半までです。この時期に足関節に負担がかかりすぎる運動をしたおかげで身長を伸ばすチャンスを失ってしまいます。

もちろん幼少期から空手を続けて身長が高くなる人もたくさんいますが、可能性の問題として、下半身に大きな負担のかかる練習が多い空手は関節を痛めたり、つきすぎた筋肉が身長の成長を阻害するリスクがあるので、未就学児にスポーツの習い事をさせるなら足への関節の負担が少ない水泳をやらせたほうが私はいいと思います。

空手の組手において身長の高さや腕のリーチの長さは圧倒的なアドバンテージになります。また空手に限らず身長の有利性は様々な場面で生かされます。

スポーツ習い事に関しては子供の好き嫌いを尊重するのは当然ですが、身長を伸ばすことができるのかどうかという点についても同時に考えて選ぶことをお勧めします。

過酷な稽古をしてしまいがちになる


幼少期から空手を始め、辞めることなく継続して練習を続けていればどこかの時点で子供に試合に出たい、試合に勝ちたいという目標が芽生えてきます。

子供の目標ができればそれをサポートするのが指導者や親の役目です。しかしいつしか子供の試合での結果や成長を期待するようになり、子供のサポートに熱くなって子供に過酷な練習を要求してしまうことがあります。

特に日本人の親や指導者は子供の成長を願うとストイックに子供を追い込もうとしますが、私はあまり賛成できません。

子供には体の負担にならない適度な運動が必要です。いたずらに目標を設けて追い込んでは成長している体に重大な支障を招いてしまいます。

まとめ

スポーツ習い事に関しては子供の好き嫌いを尊重することが優先されますが、できるなら子供にスポーツの習い事を勧める時、柔軟性を高め身長を伸ばす可能性のあるスポーツを提案してください。

私自身が柔軟性と身長にコンプレックスを抱えているということもありますが、兎にも角にも柔軟性と身長は大人になってからでは努力ではどうにもなりません。

柔軟性に関しては大人になってからでもストレッチで改善はできますが、関節の可動域や股関節の可動域などは後天的には改善しづらいところがあります。

格闘技の選手になるのに10代後半から始めても全然遅くないですし、むしろベストタイミングです。

身長や柔軟性は格闘技において試合を有利に勧めるための非常重要なファクターです。幼児に空手を習わせることに関しては様々な見解があると思いますが、私はあまり早いうちから空手を習わせて子供の成長の芽を摘んでしまわぬよう忠告しておきます。


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