子供を強くするために空手に入門させたいと思う親御さんは結構多いと思います。空手は心身共に自己を鍛え上げるというイメージ強いですから、自分の子供が学校イジメにあわないように精神的に強くなってもらいたいという願いがあるのだと思います。
本記事の目次
- 子供の精神を育てる4つのポイント
- 子供に自分探しをさせることが大事です。
- 子供と大人の強さの定義は違います
私は一貫して空手を子供にやらせるのは、子供の成長の観点から反対の立場を取っています。子供の精神を強く育てたいというのであれば、4つ条件が揃った環境のもとで、子供の好きな習い事をさせればいいと思います。
空手がやりたいというのであれば空手をやらせればいいし、水泳がやりたいというのであれば水泳をやらせればいいと思います。
ただ子供のやりたいことは親が決めなければならないので、子供の好きなものにめぐり逢うまで根気よく探す必要があります。
結局精神的に強くなるかどうかはその子のその習い事を通じて精神を充実させることができるかどうかが重要です。空手をやったとしても殴る、蹴るというのが嫌いで萎縮して毎日道場に通うのが苦痛になってしまえば子供の精神は萎縮してしまいます。
私は個人的にキツくて厳しい環境で心を鍛え上げる姿勢が強い精神を育むとは思いません。
ということでまず持論になりますが、子供の精神を育てる4つのポイントについて話していきたいと思います。
子供の精神を育てる4つのポイント
子供の精神状態はとても環境に依存しやすいです。家庭環境が思わしくないとどうしても心を閉ざしてしまいがちになり、他者に理不尽な扱いを受けても萎縮してしまったりします。
習い事にスポットライトを当てても子供の精神を育む環境に求められるポイントは同じです。習い事を始める際にもスポーツとは分けて考え、環境を見極めなければいけないと思います。
ポイント1、自己肯定感を育てる
「子供の自己肯定感を育てる」ということは子育てをして育児に関する情報にアンテナを張っていれば自然と耳に入ってくるものだと思います。自己肯定感とは自分が自分についてどう考え、どう感じているかによって決まる感覚です。
自己肯定感が高ければ自分の考えに自信を持つことができ、自分の考えを基準に「良い」、「悪い」もしくは「Yes」,「No」をはっきりと相手に伝えることができます。
逆に自己肯定感が低ければ相手の考えに流されてしまったり、理不尽なことをされても自虐的に自分の欠点をあげつらって相手が正しくて自分が間違っていると思い込みます。
子供の自己肯定感を伸ばすには口に出して褒めたり、愛を伝えたり、実力を認めてあげることです。
日本は兎角スパルタ指導を是とする本気のスポーツ教室がありますが、あれは本当に子供のメンタルを考えて指導しているとは思えません。
子供の時期はとにかく子供の承認欲求を満たすつもりで様々なことを褒めて認めてあげなければいけません。
ポイント2、子供によく話させ、子供の話をよく聞く
このポイントも自己肯定感に直結します。子供は繊細です。大人はなんの脈絡もないオチのないただの出来事を話している子供にちゃんと耳を傾ける人は少ないのではないでしょうか。ましてや子供が話している最中に話をかぶせて自分の話題に持って行ってしまう大人もいるでしょう。
子供の話を遮ったり、止めてしまうと、子供は自分の話には価値がない、話すだけ無駄だと感じてしまい、塞ぎ込んでしまったり自分の考えを相手に伝えることを諦めてしまいます。
結果、理不尽な意見にもはっきりと自分の意思を伝えられずに受け入れてしまうという悪循環に陥ります。
闊達に自分の考えを人に伝えるということは子供でも大人でも自己肯定感を引き上げ、自信をもたらしてくれます。
子供の強い精神を育む上で、子供の話を聞く、子供に話をさせるというのは重要なファクターです。
ポイント3、子供と適度な距離を置く
子供には考えてそして悩んで自分で解決に至るプロセスが精神的な成長には不可欠。失敗した時、そして悩んで停滞してしまった時に安易に答えを差し出してしまえば、子供の思考に自律性が失われてしまいます。
子供とは適度な距離を置いて大きく道を外れることがないように上手くフォローしながら静かに見守ることが大事です。
ポイント4、社会のルールを教える
自制を促し何が悪いか何が良いかを判断させる癖をつけさせなければなりません。社会は人と人で成り立っています。人の気持ちに配慮して行動ができるように根気強く教えていかなければなりません。精神が強い弱いに関わらず、社会のルールの配慮を欠いた行動は爪弾きにされてしまいます。大事なことです。
子供に自分探しをさせることが大事です。
以上の4つのポイントを備えた環境で子供の好きなスポーツをやらせることが一番良いと考えてます。空手は子供が好きだったらやらせればいいし、そうでなかったらやらせるべきではないです。
本項では子供の好きなことへの巡り合わせ方について話していこうと思います。
子供の集中力は数分
子供は大人から見れば非常に飽きっぽく節操なく興味が次から次へと移っているように見えます。まさに本能の赴くままに行動していると言っていいでしょう。
幼児期の集中力は年齢プラス1分と言われています。5歳であれば6分の集中力が限界ということです。
そのため大人から見れば子供は「集中力がない」と思うのは当然のことです。しかし集中力がなくても始めたことに対して興味がないと決めつけるのは時期尚早です。
継続して取り組めるか子供の反応を見る
数分でも再び興味が湧いてやりたいと言い出すこともあります。子供は根気強さとは無縁です。大人が根気強く継続して取り組めるか子供の反応を見る必要があります。
子供が匙を投げればその習い事をやめさせ別の習い事をさせ、集中力は他の習い事と比べてどうか、継続して興味を持っているかどうか観察して、子供の適性を見て子供の好きなものを見つけ出すといいと思います。
子供がやりたくないと言うまでは続けさせるべきです。子供が匙を投げた場合の理由は問わない方が賢明です。子供がやめたいと言うのに明確な理由なんてありませんから。ただ関心が薄れただけです。
習い事を諦める、新しく始めるを繰り返していくうちに子供の適性がわかってくると思いますのでより子供が好きそうな習い事を提案できると思います。
とはいえ経済的、時間的にかなり余裕がないとできない方法でもありますので、子供にベストな選択肢を与えるとしたらどうしたら良いかと言う方法論としてあくまで捉えてください。
子供の好きなこと適性を一発で見極めて習い事を始めさせることができれば、それに越したことはありません。
子供と大人の強さの定義は違います
子供と大人の強さの定義は違います。好きでも嫌いでも、さじを投げず、諦めず根気強く継続的に努力することが大人の世界では精神的な強さの証になっていますが、子供は違います。好きなことを、大人に認められながら全力で取り組むことが精神的な強さを育むことになります。
空手を習うと精神的に強くなると言う発想は、まさに大人の考え方そのもので、ストレスの多い大人の世界でいかにタフな心を身につけるかと言う考え方は反映されています。
大人の物差しで子供の精神の強さを測ってはダメです。結論として、空手で子供が強くなるかどうかは、子供が空手が好きかどうかそして自己肯定感を育む環境が道場にあるかどうかで決まります。わたしはそう考えています。

空手ランキング