正拳突きの腰の使い方

その場正拳突きは空手の技の中で最も基本的でかつ、身体操作を最も単純にした練習方法です。その中でも腰の動かし方はその場正拳突きの身体操作の一番重要な部分です。

ただ、正拳突きを練習するにあたってどのように腰を動かして突きに力を伝えていくのかと言う点は多くの練習生を悩ませている非常に難しいポイントです。

今回の動画では正拳突きの腰の使い方についてイメージしやすいよう体の部位別に身体操作の方法を説明しています。

正拳突きを突く際に知っておくべきポイント

  • 腰の回転運動は、腰の筋肉だけで動かされる訳ではない
  • 体の各部位は動かす順番がある
  • 上半身はなるべく脱力する
  • 慣性の法則を利用して突きを繰り出す

腰の回転運動は、腰の筋肉だけで動かされる訳ではない

正拳突きの腰の動きは、腰の筋肉だけで動いている訳ではありません。腰の動きど同時に足の関節、ひざ関節、股関節、足首の関節とその周りの筋肉を連動させて腰の筋肉を動かしています。

腰だけで腰を動かそうとすると、体の軸がブレたり正拳突きを突くときの体のバランスが悪くなります。正拳突きを突く際に足の関節と腰の関節は連動して動くということを是非覚えておいてください。

体の各部位は動かす順番がある

正拳突きを突くときに、大まかに動かす体の部位を上半身、腹部、下半身の3つに分けることができます。この体の部位は正拳突きの挙動が速くなればなるほど同時に動かすようになりますが、基本はエネルギーを伝える順番にそれぞれの体の部位を動かして行きます。エネルギーを伝える順番は下半身→腹部→上半身の順番になります。

下半身

下半身でしっかりと足を地面に踏み込みそこで得られた反発力を足首→ひざ関節→股関節に伝えます。

腹部

足で得られたエネルギーを腰の回転によってさらに上半身にエネルギーを伝えます。

上半身

下半身そして腹部で生み出されたエネルギーをそのまま肩そして腕に伝えます。上半身は脱力し慣性の法則に従って突きを繰り出します。

上半身はなるべく脱力する

“体の各部位は動かす順番がある”の部分でも触れましたが、上半身はなるべく脱力する必要があります。なぜかと言うと、上半身に力が入っていると下半身と腰で生み出されたエネルギーをブロックしてしまう可能性があるからです。

下半身と腰で生み出された力を十分に上半身に伝えるにはなるべく上半身がリラックスしている必要があります。

慣性の法則を利用して突きを繰り出す

ここで言う慣性の法則とは力の作用の基準が下半身と腹部にあり、そのエネルギーと上半身の質量を利用して突きを繰り出すと言うことです。上半身が独立してエネルギーを出して突きを繰り出したのでは足腰で生み出されたエネルギーを遮断してしまうことになり、足腰を効果的に使う意味がなくなってしまいます。

正拳突きの具体的な腰の動かし方について

立ち方を整える

空手には効果的にエネルギーを得るための立ち方があります。基本に則した立ち方でないと十分に腰にエネルギーが伝えられません。正拳突きの基本の立ち方は平行立ちです。しっかり基本の立ち方を押さえましょう。

肩幅に足を開く

足の外側が両肩の位置にくるように足を肩幅に広げます。

足刀部を平行に

足刀部は足の両端部分で踵から小指にかけてのラインです。この部分をまっすぐ直線にし、かつ両足の足刀部を平行にします。親指が若干内側に向いているとこの足刀部がまっすぐになりやすいです。感覚としては少し内股気味といったところです。

膝を外側に開く

両足の足刀部を直線、かつ平行に固定したら、膝を外側に開きます。両足を固定した状態で両膝を外側に開くと膝がロックされる部分があると思いますのでそこまで開きます。

足の使い方

正拳突きを繰り出す方の足で地面を強く踏み込む

例えば、右手で正拳突きを繰り出す場合、右足で力強く地面を押して反発力を得ます。

股関節を閉じる

右手で正拳突きを繰り出す場合、右足で力強く地面を押して反発力を得た直後もしくは同時に、左足の股関節を閉じます。そうすることで右上半身が前に押し出され上半身の体重を突きに加えられるようになります。

腰の使い方

腰の回転は上記で説明した足の踏み込みそして股関節の閉めによって半分実現します。右上半身が前に押し出された後、腰を逆に回転させ右半身が押し出されて半身になった体を正面に戻します。これを腰の切り返しと言います。こうすることでより下半身で生み出されたエネルギーを上半身に伝えやすくします。

引き手で腰の動きをサポートする。

空手において引き手は、相手の襟、袖等を掴み相手の動きを封じコントロールする意味合いがありますが、基本練習においては引き手は腰の動きをサポートする役目も果たします。

引き手を深く引くことによって下半身では制御しきれない腰の可動域を増やしサポートします。右手で正拳突きを繰り出す場合は、左手が引き手になりますが、左の股関節を閉め腰を切り返すと同時にしっかりと引き手で腰の動きをサポートします。

引き手は体側にしっかりつける

引き手を取る腕の内側はしっかり体側につけて、わきが空かないようにします。

まとめ

ざっと正拳突きの腰の使い方について説明しましたが、腰の動きについては私の動画をよくご覧になって研究してください。その場立ち正拳突きの身体操作についてはもっと細かい部分があるので後々ブログで紹介したいと思います。

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